「白髪染め」は、白い髪を自宅で簡単に染められることから多くの方が使用しています。
しかし、使用後に乾かして確認してみると、「数本だけ染まっていない髪の毛があった」という経験をされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで本記事では、「白髪がきれいに染まらないのはなぜなのか」や「染めないとどうなるの」について、詳しく説明しています。
日々の白髪ケアが染まらない原因に該当していないか振り返り、心当たりがある場合は改善するよう心掛けてみてください。
白髪はそもそも染まりにくい
「市販の白髪染めでうまく染まらない原因」について説明する前に、そもそも通常の黒髪と違って白髪が染まりにくい理由などについて紹介していきます。
白髪が染まりにくい理由
●脂質が低下している
●銅イオンが低下している
白髪と黒髪では、染まり具合に影響を与える物質量が異なるため、白髪染めを使用した際に「染まらない!」といったことが起きてしまうのです。
白髪が染まりにくい上記2つの理由について詳しく説明していきます。
脂質の減少
2014年の第84回日本生化学大会で発表された「髪の脂質量に関する研究報告」では、白髪は黒髪よりも脂質が低下していることが明らかになりました。
白髪染めの染料は、髪に含まれる脂質を通して髪の毛を黒く染めています。
そのため、脂質量が少ない白髪は黒髪よりも染まりにくいと言えるのです。
黒髪からブラウンなどのヘアカラー剤を使用すると、比較的染まりやすいと感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
一方、白髪が染まりにくいと感じる理由には、脂質量が減少傾向にあることが挙げられます。
銅イオンの減少
白髪が染まりにくい理由には、「銅イオン」が減少していることも挙げられます。
銅イオンはヘアカラーをする際に必要な物質で、量が多ければ多いほど染料に反応し、染まりやすくなるのです。
ただし、銅イオンが多く過剰反応してしまうと、髪の毛をダメージから保護している「キューティクル」を損傷する原因につながります。
というのも、髪の毛を洗う際に使用する水にも銅イオンは含まれています。
白髪染めは、髪の表面に付着している汚れやスタイリング剤を落としてからの方が染まりやすいのですが、きちんと乾かさないまま使用することで大きな負担をかけてしまうので注意してください。
白髪が染まらない人の特徴
白髪がよく染まらない人の特徴としては、以下のような髪質をお持ちの方が挙げられます。
白髪が染まらない髪質の人
●硬めで太い髪質の人
●油っぽい髪質の人
なぜ上記のような髪質の人は、白髪が染まりにくいのか説明していきます。
硬めで太い髪質の人
硬めで太い髪質は髪の毛にコシやハリが出やすく、ダメージにも強いメリットがありますが、白髪染めが染まりくいというデメリットもあります。
最も外側の層にある「キューティクル」が厚かったり、柔らかで細い髪質の人よりも密集したりしているため、白髪染めの染料が浸透しづらいのです。
ここで「ごわごわな髪の毛を柔らかな髪質に変えたい!」と、考える方も少なくないでしょう。
スカルプDによると、生まれつきの髪質を完全に変えることはできませんが、以下のヘアケアなどをすることによって、柔らかな髪質へとアプローチすることは可能だそうです。
剛毛な髪質を柔らかな髪質に近づける方法
●トリートメントでダメージケア
●アミノ酸系のシャンプーを使用
●ドライヤーは低温で乾かす
硬めで太い髪質が原因で白髪が染まりにくい方は、普段のヘアケアを見直してみましょう。
油っぽい髪質の人
髪の毛が油っぽかったり、洗髪してもベタついたりしている髪質の人は、白髪染めの染料が浸透しにくい傾向にあります。
油が髪の表面全体を覆ってしまい、白髪染めの浸透を妨げてしまうのです。
車に例えると、外装をコーティングすることで小さな傷が付きにくくなるように、油も同じ働きをしてしまいます。
餃子やカレーなど、脂がのった食べ物をよく食べる方は、油っぽい髪質になりがちなので、日々の食生活を意識してみましょう。
市販のカラー剤で白髪が染まらない原因
市販の白髪染めを使用した際、白髪がきれいに染まらない原因については以下の5つが考えられます。
白髪が染まらない原因
●髪にダメージがある
●汚れが付着している
●塗る量が少ない
●塗布する時間がバラバラ
●待ち時間が極端に短い
白髪が増え始めると大抵の方が、ドラッグストアなどで販売されている白髪染めを購入するかと思います。
しかし、使い方によってはきちんと染まらないことがあるので原因を把握しておきましょう。
髪にダメージがある
髪の表面は熱や摩擦などによってダメージが加わることで、不均一な状態となります。
不均一となった髪の表面は、白髪染めの染料が吸収される箇所とされない箇所が生じるため、染まり具合にバラつきが出てしまうのです。
カラーをした際にムラができてしまう場合は技術面の原因もありますが、上記の可能性も考えられます。
そのため、日々のダメージケアは白髪染めをする点においても重要と言えます。
汚れが付着している
髪の毛には汗や目には見えない空気中の雑菌などが付着しています。
白髪染めを洗髪せずに使用することで、汚れが浸透の邪魔をして黒く染まらない原因につながるのです。
また、おしゃれをするために使用する「スタイリング剤」も同様なことが言えるので注意してください。
待ち時間が極端に短い
白髪染めを塗ったあとは、染料が髪の内部へきちんと浸透するまでに時間がかかります。
そのため、待機時間が極端に少ないと白髪染めがきれいに定着しません。
市販やネットで購入できる白髪染めのなかには「最短5分で完了」と謳う商品もあり、購入した方も少なくないでしょう
しかし、あくまで最短なので、塗布後は最低でも10分ほど時間を置くようにしましょう。
塗布する時間がバラバラ
白髪染めを塗る時間は「初めの方に塗った髪の毛」と「あとから塗った髪の毛」とでは、数分ほど差が生まれます。
塗り始めた時間で放置する時間を決めてしまうことによって、あとから塗った髪の毛に染料がきちんと浸透しておらず、塗りムラができてしまうのです。
白髪染めの待機時間は塗り終えた時間で考えるようにしましょう。
塗る量が少ない
白髪染めは塗りムラとならないように、たっぷりと塗布する必要があります。
塗る量が少ないと均一に染料が浸透しないため、白いままの髪の毛が現れてしまいます。
「少しでも使用回数を増やそう」と、塗る量を節約しようと考える方もいらっしゃることでしょう。
節約したい気持ちはよく分かりますが、染まらない原因になるので、悩みを一つ減らすためにもケチらず使用してください。
染まらない白髪をなくすコツ
染まらない白髪をできるだけ減らすポイントを6つ紹介します。
染まらない白髪を減らすコツ
●染める前に髪の毛を洗う
●混ぜたあとはすぐに塗布
●適切な放置時間を守る
●ダメージをケア
●最後に確認
無意識のうちに染まらない方法で白髪ケアしていないか確認しておきましょう。
染める前に髪の毛を洗う
白髪染めを使用する際は事前に汚れを落としておくことが大切なので、髪の毛を洗っておきましょう。
ただし、水分を含んだまま白髪染めを塗ると髪が傷んだり、染まらい部分がでたりするので、タオルとドライヤーできちんと乾かしてください。
お湯のみでも汚れは十分落ちるため、シャンプーまで使用する必要はありませんが、もし使う場合は泡をきちんと洗い流すよう注意しましょう。
泡が残っていることで髪の表面ががコーティングされ、染料の浸透が妨げられてしまいます。
混ぜたあとはすぐに塗布
白髪染めの1剤と2剤を混ぜたあとは、「30分以内」を目安に使用してください。
1剤と2剤を混ぜ合わせた直後は化学反応が起き、時間が経過していくうちに染毛効果が失われていくのです。
染着効果が低下した白髪染めは染まらない原因につながるため、長時間放置しないよう準備を整えてから混ぜて使うようにしましょう。
適切な放置時間を守る
放置する時間は染料がきちんと定着するのに必要なため、説明書に記載されている時間は必ず待ちましょう。
ただし、長時間にわたり放置したとしても、白髪が染まりやすいわけではなく、返って髪の毛にダメージを与えてしまいます。
白髪染め商品によって指定される時間は異なるので、使用する際は前もって説明書を確認しておきましょう。
ダメージをケア
白髪染めは、黒髪を脱色する際に使用する「ブリーチ剤」ほどではありませんが、少なからず髪の毛を傷つけています。
そのため、黒く染めたあとは「トリートメント」や「ヘアオイル」でダメージケアをする必要があるのです。
また、普段からヘアケア商品を使用しておくことで、傷んだ髪の毛よりも染まりやすくなります。
きれいに白髪染めを仕上げたい方は、今後のためにも日々のダメージケアを欠かしてはいけません。
最後に確認する
白髪染めを塗布したあとは、細かな部分まで塗りムラができていないか入念に確認してください。
後頭部は目視できないため、染め残しがある可能性があります。
後頭部を確認する方法は「家族などに確認してもらう」または「折りたたみの三面鏡で確認する」のどちらかです。
最後に確認することで塗りムラを抑え、白髪をきれいに染められます。
白髪が生える原因を解決し、根本的に黒髪へ戻す方法については、以下の記事で紹介しているので、気になる方は伴わせて読んでみてください。
市販の白髪染めで染まらないときは美容院へ
市販の白髪染めで染まらないときは、お近くのヘアカラー専門店に通いましょう。
ヘアカラーを生業としているプロの方に染めてもらった方が、セルフで行うよりも綺麗に仕上がります。
また、白髪染めをしたあとには適切なダメージケアもきちんと対応してくれます。
しかし、通うまでの時間や費用が高付いてしまうのも事実なため、大切なイベントごとがあるときなど、必要に応じて利用することをおすすめします。
白髪との付き合い方
それでは、白髪が目立ち始めた場合、どのようにして付き合っていけばよいかご紹介します。
白髪との付き合い方
●白髪の原因を改善
●白髪は抜かない
●白髪ケア商品を使用
日々の生活で意識・注意することを説明するので、ぜひ参考にしてみてください。
白髪の原因を改善
普段から私たちは、無意識のうちに白髪を増やしてしまう行動を取っていることがあります。
加齢や遺伝にもよりますが、白髪が増える原因は日々の生活にも大変多く詰まっているのです。
生活習慣を見直し継続するだけでも、白髪を抑えられる可能性があるため、原因を把握しできるだけ改善に努めましょう。
以下の記事では白髪が増える原因についてまとめているので、伴わせて読んでみてください。
白髪は抜かない
白髪は抜く行為は、生活習慣と同様に注意しなければならないNG行動の一つです。
繰り返し行うことによって頭皮にダメージを与えたり、ヘアサイクルが乱れて薄毛になったりする恐れがあります。
白髪を見つけるとどうしても気になってしまい、ついつい抜いてしまう方も少なくないでしょう。
見つけてしまった場合は、ハサミで目立たないよう短くカットするなど、頭皮に負担をかけない対策を講じましょう。
白髪ケア商品を使用
白髪ケアは、トリートメントやヘアオイルなどでも可能です。
なかでも、ダメージ補修と白髪染めを両立できる「ベルタヘアカラートリートメント」はおすすめです。
ベルタヘアカラートリートメントは、刺激となりやすい8種類の添加物をフリーとしており、使用感が優しい設計になっています。
また、白髪染め独特な匂いも解消されており、待機中に不快な思いをすることがないのもよい点です。
いつも使用しているトリートメントと変えるだけのため、手間もかかりません。
以下の記事では、ベルタヘアカラートリートメントの効果や口コミについて紹介しているので、気になる方は読んでみてください。
※白髪染め:髪の表面を着色
白髪を染めないとどうなる?
白髪をそのままにしておくデメリットには以下の2つが挙げられます。
白髪を放置するデメリット
●髪色がプリンになってしまう
●実年齢より老けて見える
髪の毛は根本から伸びていくため、毛先が黒く根本だけが白い「プリン」の状態となり、周囲の人に不格好な印象を与えてしまうでしょう。
また、白髪をそのままにしておくことで、実年齢より5歳以上老けて見えてしまうと言われており、見た目に大きな影響を及ぼします。
もちろん、見た目だけが人間の全てではありませんが、初めて出会う方に対して第一印象は非常に大切です。
飲食店に勤めている方や営業部に所属している方など、人と接する機会が多い方は白髪ケアをサボらないよう気をつけましょう。
白髪を1日だけ染めるアイテム
白髪染めには、1日だけ白髪を隠したいときに使える「一時着色料」というアイテムが存在します。
一時着色料は水で洗い流すと簡単に落とせるため、応急処置として使用でき、主に以下4つの種類から選べます。
一時着色料の種類
●マスカラタイプ
●コームタイプ
●ファンデーションタイプ
●スプレータイプ
出先で白髪を見つけてしまったり、仕事や家事で忙しくて白髪染めできなかったりすることがあるかと思います。
上記のようなときにその場しのぎで使える便利アイテムなので、1つ携帯しておいてもよいでしょう。
マスカラタイプ
マスカラタイプは、白髪が少ないときに使用するのがおすすめです。
まつげ用のマスカラでも代用できるので、使い古した物がある方はそちらを使用しましょう。
ただし、白髪隠しに使ったマスカラを、再びまつげのメイクに使用するのはNGです。
髪に付着している汚れがマスカラを介してまつげに移ってしまうため、衛生的によくありません。
コームタイプ
コームタイプは、まとまった箇所に生えているときにおすすめです。
くし型の形状をしていることから、髪の毛を梳かすように使用できるため、1度に広範囲の白髪を黒く染められます。
使用する際のポイントとしては、根本から毛先に向かって塗ることで綺麗に仕上げられます。
ファンデーションタイプ
ファンデーションタイプは、とにかく白髪の量が多いときにおすすめです。
マスカラタイプ同様、顔のメイクに使用するファンデーションで代用できます。
しかし、パフやブラシの表面は荒いため、人によっては「染まらない」と感じることもあります。
1度使用してみて付きにくい場合は、ほかの種類を使いましょう。
スプレータイプ
スプレータイプは、時間がなくサッと黒く染めたいときにおすすめです。
しかし、使い方や塗る量を間違えてしまうと、周囲のものが汚れたり、髪の毛がベトベトしたりするので注意してください。
最初は慣れていないことから上記デメリットが起こりやすいため、心配な方はマスカラタイプやコームタイプの比較的使いやすいものを選びましょう。
【まとめ】白髪がきれいに染まらないときの原因
白髪は黒髪と比べて脂質やイオン銅が低下していることから、染まりにくい髪質となっています。
また、白髪染めを使用しても染まらないときは、以下の原因が考えられます。
白髪が染まらない原因
●髪にダメージがある
●汚れが付着している
●塗る量が少ない
●塗布する時間がバラバラ
●待ち時間が極端に短い
髪質や白髪染めの使い方によっては、白髪が染まらないことが多々あります。
普段の白髪染めの使い方などを振り返り、一つずつ注意してみてください。