鏡を見ると気になってしまう目の周りの色素沈着。
色素沈着で目の周りが黒くなる原因の1つとして言われているのが、「アイシャドウ」です。
今回は目の周りに起こる色素沈着とアイシャドウの関係性や防ぐ方法、治す方法について紹介します。
目元のくすみは顔全体の印象が暗くなるうえ、カバーするためのメイクが逆効果になる可能性もあります。
ぜひ、色素沈着への適切なケア方法を参考にしてください。
アイシャドウは目の周りの色素沈着を起こす原因
色素沈着ができる根本の原因は、摩擦などの刺激により引き起こされる皮膚の炎症です。
刺激により皮膚が炎症を起こすとメラノサイトが活性化して、黒色の色素である「メラニン」が過剰に生成されます。
アイシャドウなどの化粧品は角質を色づけるのみであり、代謝によっていずれ剥がれ落ちるため、皮膚への色移りはしません。
目元の色素沈着はブラシ・アイチップで起こる摩擦や、クレンジングの間違ったやり方などで過度な刺激を与えることが原因です。
■色素沈着の原因となる行動
・アイチップを強くこすりつける
・クレンジングをするときに強い力でこする
・タオルで顔をゴシゴシ拭く
何気ない生活習慣のなかに色素沈着の原因が潜んでいるため、まずは日頃の行動を見直してみましょう。
アイシャドウ以外で色素沈着が起きる原因
色素沈着を引き起こす主な原因には、アイシャドウ以外にも以下の3つが挙げられます。
■アイシャドウ以外の色素沈着の原因
・乾燥
・紫外線
・年齢
外部からのさまざまな刺激により過剰に生成されたメラニンは、肌のターンオーバーですべて排出することはできません。
蓄積されたメラニンが、色素沈着によってやがて黒くなる原因につながります。
アイシャドウ以外の色素沈着が起こる原因について、それぞれ解説していきます。
乾燥による色素沈着
肌の乾燥はターンオーバーの周期が乱れてメラニン色素が蓄積されるため、色素沈着の原因となります。
特に、目の周りは皮膚が薄く乾燥しやすいので、適切なケアが必要です。
また、肌のバリア機能を低下させる乾燥は、色素沈着の原因である炎症を引き起こしやすくなります。
以下のスキンケア方法をしている方は、乾燥が原因で色素沈着している可能性があります。
■目元を乾燥させるNG行動
・オールインワンコスメで肌の手入れを簡単に済ませている
・保湿系の基礎化粧品のべたつきを避けている
肌の乾燥は色素沈着やくすみの原因になるため、注意しましょう。
紫外線による色素沈着
紫外線を浴びると、ダメージから肌を防ぐ役割のある「メラニン色素」が過剰に生成され、色素沈着の原因になります。
過剰に生成されたメラニンはターンオーバーでも排出しきれず、蓄積していきます。
黒色の色素であるメラニンは色素沈着のほか、シミやソバカスの原因です。
また、紫外線が皮膚の奥深くまで届くと、シワやたるみなど肌に悪影響を及ぼす可能性もあります。
肌が紫外線にさらされることは、メラニン色素が生成され続けることを意味します。
紫外線は年中降り注いでいるため、日々のUVケアを徹底しましょう。
年齢による色素沈着
年齢を重ねると皮膚のハリや顔の筋肉が衰え、目元のくすみを目立たせる原因になります。
くわえて、日々体内で発生する活性酸素によりハリや潤いを保てず、紫外線によるシミやたるみなど肌環境の乱れも引き起こします。
年齢を重ねたぶん、紫外線によるダメージも蓄積しています。
色素沈着を防ぐためには自分の肌に適したケアとともに、のちほど紹介する方法で活性酸素を増やさないことが大切です。
色素沈着を防ぐアイシャドウの落とし方
ここでは、色素沈着により目の周りが黒くなるのを防ぐ「アイメイクの正しい落とし方」について紹介していきます。
手順は以下のとおりです。
- 手順1アイメイクリムーバーを馴染ませ、優しく拭き取る
コットンにしっかりとアイメイクリムーバーを含ませ、まぶたの上に置きます。
30秒ほど経ちアイメイクが浮いてきたら、優しくなでるように拭き取りましょう。
- 手順2マスカラを落とす
目を閉じてまつげの下にコットンを置き、クレンジング料をつけた綿棒でまつげをなで、マスカラを落とします。
- 手順3アイラインを落とす
目のキワに残ったアイラインを、まぶたを持ち上げるようにしながらリムーバーを染み込ませた綿棒で丁寧に落とします。
- 手順4仕上げ拭き
クレンジング料を含ませた綿棒で、上下のまぶたに残った汚れを拭き取ります。
アイメイクを落とす際には濃いメイクもキレイに落とせるよう、目元専用のアイメイクリムーバーを使いましょう。
一般的なクレンジング料で顔全体のメイクを落とすと、目元部分が落ちにくくゴシゴシ擦ってしまうのです。
メイクが落ちやすい強めのクレンジングは楽ですが、肌への刺激が強く目元への使用にはおすすめできません。
アイメイクは自分の肌に相性のよいクレンジングで、優しく落とすことが大切です。
アイメイク後のスキンケア方法
色素沈着を防ぐためには、うるおいをたっぷり与える肌のケアが大切です。
目元は特に乾燥しやすいため、メイクを落としたあとには必ず丁寧な保湿ケアを行ってください。
■アイメイク後のおすすめスキンケア方法
・化粧水は指や手のひらを使って塗る
・目元専用シートマスクやアイクリームを使う
目の周りのお手入れは摩擦の原因となるコットンを使わず、手や指先で行います。
化粧水は肌にうるおいを与える「セラミド」や「コラーゲン」、「ヒアルロン酸」などが入ったものを選んでください。
さらに、目元専用のシートマスクやアイクリームを併用するとよいでしょう。
なお、紫外線の強い夏場は目元の皮膚にも負担が強くかかるので、普段よりも入念なケアが必要です。
目の周りの色素沈着を防ぐ方法
アイシャドウなどによる色素沈着を防ぐ方法には、正しいアイメイクの落とし方などのほかに4つあります。
■目の周りの色素沈着を防ぐ4つの生活習慣
・目元を揉みほぐす
・紫外線対策をする
・睡眠時間を取る
・食生活のバランスを考える
色素沈着を予防する方法を、それぞれ解説していきます。
目元を揉みほぐす
目元のマッサージは、血行が促進されることで肌のターンオーバーの乱れをケアでき、色素沈着を防ぐことにつながります。
ただし、力加減には注意が必要です。
マッサージは摩擦を防ぐためにオイルを使い、擦らないよう指の腹で押さえて適度な刺激を与えます。
マッサージ前に適温のホットタオルで目元を温めると、より血行が促進され皮膚も柔らかくなり効果的です。
合わせて、血行促進のために目のエクササイズも取り入れましょう。
■目のエクササイズ方法
1,まぶたをぎゅっと閉じ、5秒キープ
2,思い切り目を開け、5秒キープ
3,3回ずつ繰り返す
目のエクササイズは簡単に取り入れやすく、目元をリラックスさせられます。
紫外線対策をする
色素沈着を防ぐには、紫外線の対策が欠かせません。
人間の皮膚は紫外線を浴びると黒色のメラニン色素を生成し、これが色素沈着の原因になります。
夏場に限らず、日頃から日傘や日焼け止めクリームなどで紫外線の対策をしましょう。
UVカットや日焼け止め効果のある化粧品を使用すると、スキンケアも兼ねた対策ができます。
きちんと睡眠時間を取る
一見つながりがなさそうに思える睡眠も、アイシャドウなどによって生じる色素沈着を防ぐための重要な要素です。
肌の生まれ変わりは睡眠中に行われます。
肌のターンオーバーに必要な成長ホルモンは、深い眠りへと入った際に多く分泌されるため、質のよい睡眠を取ることが色素沈着の予防につながります。
肌の状態を適切に保つためには、生活リズムを整えて質のよい眠りを確保しましょう。
食生活のバランスを考える
バランスのよい食生活や抗酸化作用のある食品を摂ることも、色素沈着を防ぐために重要です。
抗酸化作用をもつ食品は、以下のとおりです。
■抗酸化作用のある食品
・ビタミンC:ブロッコリ―、ピーマン、キウイ、レモンなど
・ビタミンE:アーモンド、ヘーゼルナッツ、卵黄、植物油など
・ミネラル:昆布、のり、納豆、ドライトマトなど
・ポリフェノール:コーヒー、紅茶、ぶどう、りんごなど
成分 | 食品 |
---|---|
ビタミンC | ブロッコリ―、ピーマン、キウイ、レモンなど |
ビタミンE | アーモンド、ヘーゼルナッツ、卵黄、植物油など |
ミネラル | 昆布、のり、納豆、ドライトマトなど |
ポリフェノール | コーヒー、紅茶、ぶどう、りんごなど |
これらの食品は抗酸化作用により肌の環境を整えるため、アンチエイジングケアや皮膚のすこやかさを保つのにもおすすめです。
ミネラル化粧品を使用する
ミネラルコスメとは、天然鉱物を主成分とした天然由来にこだわった化粧品です。
含まれる成分にはスキンケア効果のある「酸化亜鉛」や紫外線対策に役立つ「酸化チタン」などがあり、それぞれの作用が色素沈着を防ぐことにつながります。
界面活性剤や防腐剤・香料などの化学物質も含まないため、肌への負担も最小限になります。
石けんで簡単に落とせるミネラルコスメも多く、クレンジング料を使わないことで肌に余計な摩擦刺激も与えません。
多くのミネラルコスメブランドでアイメイク商品も発売されるようになったため、ぜひマイアイテムに取り入れてみましょう。
ただし、すべての人にトラブルが起きないわけではないため、成分をしっかりと確認してください。
アイシャドウで生じた色素沈着を治す方法
一度できた目元の色素沈着は、セルフケアだけでは完全に治すことが難しくなります。
特に、濃い色素沈着になってしまったケースでは自己解決が難しいため、美容皮膚科の受診を検討しましょう。
美容皮膚科では自分の肌に合わせて、治療方法を提示してくれます。
医療機関で行われている一般的な色素沈着への治療法は、以下のとおりです。
■医療による色素沈着の治療法
・ケミカルピーリング
・レーザートーニング
・QスイッチYAGレーザー
・外用薬
それぞれの治療法や作用を解説していきます。
ケミカルピーリング
ケミカルピーリングとは皮膚に薬剤を塗り、肌表面にある古い角質を取り除くことで肌トラブルなどを改善する治療法です。
新しい皮膚が再生しやすくなり肌のターンオーバーをケアできるため、紫外線によるシミや色素沈着の治療だけでなく、皮膚を整えることにもつながります。
ただし、ケミカルピーリングの作用はメラニン色素の排出促進であり、生成を止められるわけではありません。
ターンオーバーをケアできることでニキビや黒ずみの解消作用もあるため、美肌を目指す方に人気の治療法です。
レーザートーニング
レーザートーニングとは、優しいパワーで均一にレーザー照射することで、肌への負担を最小限に抑えながら蓄積したメラニンを減らしていく治療法です。
シミや黒ずみを防ぐだけでなく、キメの整ったハリのある肌に導くと言われています。
レーザートーニングは痛みもほとんどなく、かさぶたやダウンタイムもないので、施術後すぐに化粧をして帰宅することが可能です。
QスイッチYAG(ヤグ)レーザー
QスイッチYAG(ヤグ)レーザーは、シミや色素沈着の原因であるメラニン色素にのみ働きかける治療法です。
高いパワーのレーザー光を短い照射時間で当てるため、色素沈着やシミなどの治療に適しています。
QスイッチYAGレーザーには、以下の作用があると言われています。
■QスイッチYAGレーザーの作用
・くすみを抑える
・根深いシミを除去する
・肌のハリやキメを整える
レーザーを短時間のみ照射するうえ、メラニン色素以外の細胞を傷つけないため、肌に優しく治療できます。
外用薬
目の周りに起こった色素沈着には、以下の外用薬が処方されます。
治療薬 | 作用 | 副作用 |
---|---|---|
ハイドロキノン | メラニンの生成を抑制 | 赤みや炎症、白斑*の発生 |
トレチノイン | ターンオーバーをケア | 皮むけによる赤み、かゆみ、乾燥 |
目の周りは皮膚が薄く敏感なため、特に注意が必要です。
外用薬は副作用が出る可能性も考え、医療機関で処方してもらうとよいでしょう。
副作用が出た場合には、使用を中止して速やかに医療機関を受診してください。
外用薬にくわえ、副作用の少ないトラネキサム酸やビタミンCといった内服薬による治療方法もあります。
肌や体質は個人によって異なるため、医療機関で自分にあった治療薬を相談してみましょう。
【まとめ】アイシャドウは色素沈着を起こす原因
アイシャドウや私生活などによって色素沈着を起こす直接的な原因には、以下の4つがあげられます。
■色素沈着を起こす4つの原因
・摩擦
・乾燥
・紫外線
・年齢
アイシャドウなどのアイメイクは、不適切なケア方法により間接的に色素沈着の原因となります。
言い換えると、正しいメイク方法やクレンジング・肌のケアを心がければ、色素沈着を防ぐことは可能ということです。
今回の記事を参考に、日頃の生活習慣から見直し、キレイな目元を手に入れましょう。
ただし、根本的に治療したい方はセルフケアだけでなく、美容皮膚科の受診を検討するのがおすすめです。
紹介した治療法を参考に、医師と相談してみてください。