乾燥肌は皮膚の水分が失われ、バリア機能が低下することで非常にダメージを受けやすい状態です。
特に乾燥しやすい冬の時期は顔がヒリヒリしたり、皮がむけたりなど、肌トラブルを引き起こします。
「乾燥による肌荒れは顔を洗わない方が綺麗になる」という声を耳にしますが、実際の効果はどうなのか気になる方もいらっしゃることでしょう。
本記事では「乾燥肌の人は顔を洗わない方がよいのか?」「顔の乾燥肌における正しい洗顔方法」について詳しく説明しております。
乾燥肌で顔のスキンケアに悩まれている方は、ぜひ参考にしてみてください。
乾燥肌の人が顔を洗わないのは肌に悪影響
乾燥肌の人が顔を洗わないのは、肌に悪影響を及ぼすため必ず洗顔しましょう。
日中の活動や睡眠中は皮脂を分泌したり、汗をかいたりしますが、顔を洗わないことで毛穴に汚れが蓄積し雑菌が繁殖します。
その結果、乾燥肌が悪化し顔がヒリヒリしたり、皮がむけたりするのです。
蓄積した皮脂や汗の汚れ、古い角質などは毛穴に蓋をします。
保湿効果のある化粧水や美容液が皮膚に浸透しづらくなり、乾燥肌に拍車をかけます。
顔を洗顔することで余分な皮脂や汗の汚れを洗い流せるため、必ず朝と夜の2回に分けて洗うことが大切です。
乾燥肌の人は洗顔料を使用して顔を洗わない
乾燥肌の人は基本的に洗顔料を使用して顔を洗わないようにしてください。
皮脂は肌へのダメージを軽減し、皮膚から水分が逃げないようにする保水効果があります。
洗顔料はぬるま湯のみで顔を洗うよりも汚れを洗い流せ綺麗にできますが、もともと乾燥肌は皮脂の分泌量が少ないため返って不足するのです。
皮脂を取り除きすぎることで乾燥肌の原因につながるため、適度に必要と言えます。
また、40度以上のお湯で顔を洗うと皮脂を溶かし乾燥肌を促進させます。
冬の時期は寒い思いをするかもしれませんが、乾燥肌の人は洗顔料を使用せず、ぬるま湯で顔を洗いましょう。
乾燥肌の方でも洗顔料を使用した方がよいときもある
乾燥肌の人は洗顔料を使用して顔を洗わない方がよいと、説明しましたが例外もあります。
汗をかきやすい夏の時期やメイクをした日などは、洗顔料を使用して顔を洗った方が綺麗にできるのです。
夏の季節はほかの季節よりも毛穴に汚れが溜まりやすく、お湯のみでは洗い流せていないことが多々あります。
また、メイクをした日はファンデーションのパウダーが毛穴に残ることで蓋をし、化粧水や美容液が浸透しづらくなる原因につながります。
だからと言って、洗いすぎは皮脂の不足につながるので、適度に顔を洗うことが大切です。
乾燥肌な顔で悩まれている方は洗顔料の選び方に注意
乾燥肌の人が洗顔料を購入する際の選び方について、3つ注意することがあります。
含まれている成分によっては、顔が乾燥している方に向いていない物もあるのです。
洗顔料に記載されている成分表は、上位に記載されている成分ほど多く配合しております。
そのため、乾燥肌を防ぐ成分が先に記載されているほど、効果が期待できると言えます。
洗顔料には数多くの種類があり、どの商品を購入すればよいか悩まれている方も多いことでしょう。
乾燥肌な顔で悩まれている方に、おすすめな洗顔料の選び方を紹介するので参考にしてみてください。
洗浄力が低い洗顔料なのか
洗顔料のなかには洗浄力が比較的低い商品が存在し、皮脂を適度に保つ効果が期待できます。
アルコールやオレフィンなどが含まれている洗顔料は、洗浄力が強く皮脂を洗い流しすぎてしまうため、乾燥肌を引き起こす原因につながるのです。
粒子のザラつきを感じられるスクラブも、皮脂や角質を洗い流しすぎる商品の1つです。また、粒子が毛穴に残るおそれもあり、ニキビを引き起こす原因と言えます。
タウリンやベタインが含まれている洗顔料は、洗浄力が低く刺激も少ないためおすすめです。
乾燥肌で悩まれている方は、洗浄力の強い洗顔料で顔を洗わないようにしましょう。
洗浄力が比較的低い主な成分 |
・タウリン ・ベタイン ・ココイルグルタミン酸Na ・ココアンホ酢酸Na ・ラウロイルアスパラギン酸Na ・ステアロイルグルタミン酸Naなど |
乾燥肌な顔にやさしい洗顔料なのか
添加物が多く含まれている洗顔料を使用するのはなるべく避けましょう。
乾燥肌はバリア機能の低下によりダメージを受けやすい状態ですが、添加物は顔に低刺激を与えるため、肌トラブルにつながりやすいのです。
添加物が含まれていないことを「無添加」と呼びますが、該当する成分が1つも含まれていないと、勘違いされている方がいらっしゃるのではないでしょうか?
特定の添加物が配合されていないだけでも、無添加と呼ぶので注意する必要があります。
商品の謳い文句として「アルコールフリー」や「無着色」、「鉱物油不使用」などと記載されていることがあると思いますが、これらも無添加商品の1つです。
パウダータイプや石鹸などが刺激の低い洗顔料としておすすめです。
乾燥肌な人は添加物が多く含まれている洗顔料で顔を洗わないようにしてください。
刺激を強くする主な添加物 |
・アルコール ・エタノール ・合成香料 ・合成着色料 ・合成保存料 ・鉱物油 ・酸化防止剤など |
乾燥肌な顔に効果的な保湿成分が含まれているか
洗顔料に保湿成分が多く含まれているのかは、乾燥肌な人にとって特に重要です。
保湿成分は顔の水分を保ち蒸発するのを抑制することで、肌に潤いを持たせる効果があるのです。
ほとんどの洗顔料に保湿成分が含まれておりますが、商品によって配合量は異なります。
多く含まれている物もあれば少量の物もあるので、洗顔料を購入する際は成分表に注視してみてください。
主な保湿成分 |
・ヒアルロン酸 ・グリセリン ・セラミド ・コラーゲン ・エラスチン ・スクワラン ・ラノリン ・ワセリンなど |
乾燥肌の人が顔をカサカサにしない洗顔方法
乾燥肌な顔の正しい洗顔方法を流れに沿って紹介します。
日々の洗顔には顔をカサカサにしてしまう要因が数多く潜んでおります。
些細なことから重要なことまで詳しく説明しているので、乾燥肌な顔で悩まれている方は参考にしてみてください。
- 手順1洗顔する前に手を洗う
洗顔する前に一度、石鹸やハンドソープを使用し手を洗うことが先決です。
外出した後の手には雑菌が付着しております。そのままの状態で顔を洗うことで、毛穴に残っている雑菌を繁殖させる可能性があるのです。
インフルエンザで例えると、「手に雑菌が残っている状態でうがいをすると、のどに雑菌が付着し悪影響を及ぼす」という話を一度は聞いたことがあるでしょう。
洗顔するときも同様のことが起こるため、手を清潔にしてから顔を洗いましょう。
- 手順2乾燥肌の人は顔をゴシゴシ洗わない・ぬるま湯で洗顔
乾燥肌の人は、顔をゴシゴシ洗わないことやぬるま湯で洗顔しましょう。
強い力で顔を洗うと水分で濡れているとはいえ、摩擦が起こり肌にダメージが蓄積されます。そのため、バリア機能が低下し乾燥肌の原因につながります。
また、40°以上の熱いお湯は皮脂や角質を溶かし、角質層内の水分を排出させます。
乾燥肌の顔には36°前後のぬるま湯が効果的です。
皮脂は必要以上に取り除いてはいけないため、熱いお湯でゴシゴシと顔を洗わないよう注意してください。
- 手順3洗顔料で顔を洗う場合
化粧をした日や汗をかきやすい夏は、毛穴に汚れが溜まりやすいため、洗顔料を使用した方がよいですが、2つ注意することがあります。
一つ目は、洗顔料を顔の表面で泡立てようとするのではなく、手のひらで泡立ててください。
顔の表面で泡立てることは摩擦の原因につながり、乾燥肌によりヒリヒリします。
2つ目は、泡が毛穴に残らないようきちんと洗い流すことです。
洗顔料が残ることは毛穴を塞ぎ、化粧水や美容液が浸透しづらくなり、スキンケアがあまり意味をなさなくなるのです。
しかし、きちんと洗い流そうと意識しすぎると、返って皮脂が不足するので注意しましょう。
- 手順4タオルで優しく拭きとる
タオルで顔の水滴を拭き取る際は、できるだけ優しく肌にあてるようにしましょう。
顔をゴシゴシ洗わないことと同様に、強く拭くことで摩擦が起きます。
また、タオルの素材にも注意するとよいでしょう。
固い素材の物は摩擦が起きやすくなるため、コットン生地などの柔らかいタオルを使用することをおすすめします。
乾燥肌は顔を洗った後のスキンケアが大切
乾燥肌な顔の人は、洗顔したあとのスキンケアが何より大切です。
顔を洗ったあとは肌に水分が多く含まれているため、化粧水や美容液などでケアすることで蒸発を抑えます。
時間を空けて化粧水や美容液を使用するのは乾燥肌によくありません。
また、強い力でパッティングすることは肌にダメージを与えてしまうため、浸透させるイメージを意識し、手のひらでやさしく圧をかけるようにしてください。
乾燥肌な顔の方は、洗顔後のスキンケアが非常に効果的なので欠かさず行いましょう。
それでは、それぞれのスキンケア用品について紹介します。
スチーム
スチームが自宅にある方は、スキンケアをする前に浴びると乾燥肌に効果的です。
蒸気を顔にあてることで毛穴が広がり、角質に潜んでいる皮脂や汗の汚れなどを取り除きます。そのため、肌に柔軟性が出ることで、化粧水などが角質層の奥まで浸透しやすくなるのです。
汚れを取り除いたあとは水で洗い流す必要はなく、コットン生地などの柔らかいタオルでやさしく拭き取るのみで問題ありません。
スチームが自宅にないという方でも、水を少し含んだタオルを電子レンジで温め、「蒸しタオル」として顔にあてることでも、毛穴を広げることが可能です。
スチームは3,000円〜数万円の商品があり、どうしても乾燥肌が気になる方は購入を検討しましょう。
化粧水
初めに化粧水を顔に付け、できるだけ保湿成分が多く含まれている物を使用しましょう。
化粧水は不足した水分を補填する働きがあり、美容液を効率よく浸透させるのです。
乾燥肌な顔の人におすすめな化粧水は、「モイストタイプ」や「とろみのある化粧水」です。
付ける量は500円玉ほどの大きさを取り出し、手のひらによくなじませ、やさしく圧をかけるように塗布することで摩擦を抑制できます。
化粧水は乾燥肌な顔に水分を与え、潤いを取り戻す効果があるので必ず使用しましょう。
美容液
美容液は化粧水と違い、美容成分が多く含まれております。
肌に栄養を与える働きがあり、「シワの改善」や「美白」などの効果が期待できます。
美容液は化粧水と比較して高価格な商品が多く、財布と相談して継続できる価格帯を選択してください。
数ヶ月、使用してみてあまり美容効果が感じられなければ、違う商品の購入も視野に入れておきましょう。
乳液やクリーム
乳液やクリームは同じ目的で使用され、化粧水や美容液を塗布したあとに欠かせません。
乾燥肌な顔に潤いを与えることに加えて、油分を与えることにより、化粧水や美容液で補填した水分を蒸発させにくくします。
乳液やクリームを使用しなければ水分や美容成分が補われただけで、蒸発しやすい状態と変わりません。
乳液かクリームどちらか一つのみ使用するのもよいですが、両方を塗布することで長時間にわたり、水分を逃さないようにします。
費用はかかりますが、どうしても顔の乾燥肌が気になる方は、どちらとも使用するとより効果を得られます。
あまり費用をかけたくないという方は、オールインワン化粧品である「モイストゲルプラス」がおすすめです。
美容効果のある成分が63種類も含まれているため、モイストゲルプラス1本でスキンケア用品すべての役割を果たすことができ、コスパよく使用できます。
気になる方は、下記ページにて詳しく紹介しているので見てみてください。
乾燥肌の顔で悩まれている場合に対策すべきこと
顔が乾燥肌で悩まれている場合、私生活における主な対策を紹介します。
乾燥肌の対策は継続することが大切なので、出来るものから取り組んでみてください。
紫外線対策で顔の乾燥肌を対策
日光などの紫外線は肌から水分を奪い、皮膚の細胞に傷をつけます。
細胞に傷がつくことで並びが不均一となり、本来あるバリア機能が低下するのです。
日傘や帽子は直射日光には効果的ですが、反射による日光は防止できません。
外出する際は日焼け止めクリームも欠かさず塗布しましょう。
ただし、日焼け止めクリームはきちんと洗い流さないと毛穴が詰まる原因につながるので、顔を洗う際は注意してください。
正しい生活習慣で顔の乾燥肌を対策
関係ないように思えますが、正しい生活習慣は顔の乾燥肌を予防することにつながります。
規則正しい生活は、適度な水分や皮脂を生成し、肌のバリア機能を保つことができるのです。一方、生活習慣が乱れている場合、水分や皮脂の生成に異常をきたしバリア機能を低下させます。
また、一定の周期で肌は新しい細胞へと入れ替わります。このサイクルを「ターンオーバー」と言うのですが、不規則な生活習慣は細胞が入れ替わる周期を乱し、バリア機能の働きに影響を及ぼすのです。
生活習慣が乱れる主な要因はこちらです。
該当する項目がある場合は、日々の生活を見直す必要があります。
加湿器を使用し乾燥肌による顔のヒリヒリを予防
加湿器の使用は室内の湿度を高めるため、乾燥肌の顔を予防できます。
室内が乾燥していると、肌の水分が蒸発しやすくなり潤いが失われるのです。
冬の時期はエアコンや電気ストーブを使用することで乾燥しやすく、顔に直接風があたると、余計に水分は不足します。
エアコンや電気ストーブに限った話ではなく、自然の風も肌が乾燥しやすい原因の1つです。
外出する際はマスクを着用することにより、風に直接あたることを防ぎ、顔周りの湿度を高められます。
室内ではなるべく加湿器を使用し、出かける際はマスクの着用を心掛けましょう。
食生活から乾燥肌の顔を対策する
乾燥肌の顔に効果的な成分が含まれている食材も数多く存在します。
乾燥肌によい主な食品成分はこちらです。
偏りのある食生活をしている方は、普段、肉ばかり摂取している方もいらっしゃるでしょう。
上記をバランスよく摂取することで、偏りのある食生活を改善できる可能性もあります。
成分効果とともに、該当する食材も紹介するので、乾燥肌の顔に悩まれている方は、日々の食生活に取り入れてみてください。
ビタミンC
ビタミンCは肌の潤いを保ち、乾燥肌への対策に期待できます。
皮膚の細胞を結合する働きがあり、肌の潤いや弾力に必要なコラーゲンを生成するのです。
また、ストレスや紫外線などにより「活性酸素」が発生し、コラーゲンやエラスチン(コラーゲンと同じ働きを持つ成分)を減少させます。
人には活性酸素を除去する「抗酸化作用」が備えられておりますが、年齢を重ねるたびに機能が低下するのです。
ビタミンCには抗酸化作用を活発にする働きもあり、乾燥肌の顔に効果的と言えます。
ビタミンCを多く含む食材 |
・ピーマン・レモン ・ブロッコリー ・キウイ ・いちご ・キャベツ ・じゃがいもなど |
β-カロテン
β-カロテンは肌のバリア機能を保つ効果があり、乾燥肌対策につながります。
β-カロテンは抗酸化作用を活発にさせるのに加え、ターンオーバーを整える働きがあるのです。
ビタミンAが不足すると肌の潤いが失われますが、β-カロテンを摂取することにより不足分を補填します。
ターンオーバーを整えることで顔のダメージを軽減できるため、積極的に摂取したい食品成分の1つです。
β-カロテンを多く含む食材 |
・にんじん ・ほうれん草 ・トマト ・ニラ ・かぼちゃ ・みかん ・メロンなど |
セラミド(生芋こんにゃく、ブロッコリーなど)
セラミドは保湿効果を高めるため、乾燥肌の対策としてうってつけです。
セラミドは油脂や水分になじみやすく、蒸発するのを防ぐ働きがあります。
化粧水などにも含まれ、保湿成分の一種として広く知られておりますが、食材からでも摂取可能です。
肌の水分は80%以上がセラミドで保たれていると言われていることから、乾燥肌の顔で悩まれている方は摂取するよう意識してみてください。
セラミドを多く含む食材 |
・白米 ・小麦 ・こんにゃく ・大豆 ・わかめ ・ひじき ・ほうれん草など |
【まとめ】乾燥肌の人は顔を洗わない方がよいは誤り
乾燥肌で悩まれている方は顔を洗わないことで毛穴の雑菌が繁殖し、悪化させる恐れがあります。
また、汚れが蓄積していくことで、スキンケアで使用する化粧水や美容液が角質層に浸透しづらくなり、効率よく効果が得られません。
顔の汚れを洗い流せ綺麗に保てる洗顔料ですが、状況に応じて使用しなければ返って乾燥肌を招く恐れがあります。
普段はぬるま湯のみで顔を洗い、汗をかきやすい夏や化粧をした日のみ洗顔料を使用するよう心がけましょう。